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理学療法の知識と基礎 病院・クリニック・介護施設の勤務を経て辿りついた思いです.

内反捻挫・リハビリ           
 

運動療法の方法について

1)DYJOC exercise

動的関節制動訓練(dynamic joint control training:DYJOC)の目的は、下肢・体幹の多関節連鎖下での多様な筋機能促通と神経―筋協調能向上、姿勢バランス獲得である。

a.足趾・足底把握訓練

 足趾把握機能は足底荷重部位に存在する固有受容器の情報収集の活性化、地面上での足底部の掴み様の摩擦効果と膝・股・体幹への機能連鎖の引き金による身体支持性の補強、足部アーチの安定化という大切な機能を果たしている。

b.半歩前荷重位・半歩後荷重位

 半歩荷重肢位とは、歩く、走る、跳ぶ、着地という立位動作の基本肢位である。半歩前荷重肢位は、歩行の立脚期前半、階段を昇るときの前脚や走行時のスタート準備肢位に相当する。半歩後荷重位は、歩行の立脚期後半、階段を下りるときの後脚やジャンプ着地時に観察できる。

A:訓練原則 

@足底からの情報を確実にするために裸足で行う。

A抵抗を加える場合は、最初は微小外力で合図のもとに行い、徐々に合図をしないで不意性を出していく。

B不安定板は各種異なるタイプを適用させ、いろいろな動揺性を生じさせる。

C本来の下肢筋群を抗重力位にて身体の支持安定化筋として機能させるためには、可及的早期に足を床につけた

 閉鎖運動連鎖closed kinetic chain)状態での訓練と荷重感覚の再教育が必要となる。

2)タオルギャザー、足関節ROMex.、足関節周囲筋MSE、他

その他のリハビリテーション

距骨の評価を行う

1.内反ストレステスト(距骨傾斜角)

@外果前方を指で押さえる(上から触っていくと固い部分にあたる)
A
内反ストレスをかけていく(距骨がぽこっと浮いてくる)
B
左右差を確認し、緊張が緩ければさらに前方引き出しテストを行う。

2.前方引き出しテスト

腓骨の動きを改善するには

・片手で脛骨おさえて、もう一方の手で腓骨を前方へ引き出す。

・前方引き出しの動きが固かった場合は、後脛骨筋長拇指屈筋の短縮、靭帯の短縮などにより腓骨の動きが阻害されている可能性がある。

この場合は背屈制限が起こり、踏み込み時の痛みが出現しやすい。

・体重が小趾側に乗っていると、腓骨周囲の筋(腓骨筋・後脛骨筋・長拇指屈筋など)に負担がかかり過緊張を起こして、腓骨の動きが悪くなってしまう

距骨下関節のリハビリ

距骨と踵骨から作られる関節面。

関節包はゆるくて薄く、内側および外側距踵靭帯によって補強されている。
骨間距踵靭帯足根洞にあり、下跳躍関節(距骨関節と距踵舟関節)を前部と後部に分割している。


捻挫後遺症として

距腿関節長軸運動には問題ないが、距骨下関節の長軸運動が障害されている場合もある。

捻挫後の不安定性には距骨下関節の炎症などの問題が大きく影響している。腓骨筋のトレーニングをひたすら行うのではなく、まず骨の正常な動きや筋の伸張性など機能を使えるようにすることが大切だろう。


距骨下関節の動きをチェック

@    片手で距骨をおさえる足関節中間位で脱力させる

A    前方引き出しテストの要領で踵骨を前方へ引き出す。

B    踵骨が前に少し出てくれば正常(出すぎてもだめ)

C    左右差を確認し動きが固いと、機能不全としてそのまま引き出しMobilizationを行うとよい。